このページではSES営業とは何か?ということをテーマにお話させていただこうと思います。
IT派遣業界や客先常駐SE、あるいはフリーランスエンジニアの業界でよく聞くSES営業とは一体どういったものなのでしょうか。
SES営業のコツや辞めたい人が多い理由、SES営業は楽で簡単なの?など皆さんが知りたい情報を集めましたので興味がある方は是非参考にしてみてください。
Contents
SES営業とは?
そもそもSES営業とは一体何か?について説明させていただきます。
SESとはSystem Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略語です。
SESはソフトウェア開発において業務委託契約の一つであり、技術者の労働力を提供するサービスです。
SES営業は常駐エンジニアのマッチングやアサイン、フォローや契約など全般業務を対応するのが主な仕事になります。
SES営業と派遣営業の違い
人材業界で働く際に同じように使われる言葉として派遣営業があります。
SES営業と派遣営業はどこが違うのでしょうか?
エンジニアを顧客に提案し契約を結ぶという仕事の内容はほとんど同じなのですが、
・SES営業→業務委託契約(フリーランスエンジニアを含む)
・派遣営業→派遣社員のみ
が営業対象になるという点が異なります。
SES営業の年収について
SES営業の年収について説明させていただきます。
SES営業の年収については会社の規模や年収体系により大きく異なります。
SES営業未経験者であれば年収350~400万円程度が一般的です。
経験者であれば400~600万円程度、管理職であれば年収600万円をこえる企業もあります。
また、業務委託のような形でフリーで働くSES営業であれば年収1000万円~1500万円かせぐ人もいるようです。
SES営業の仕事内容
SES営業の仕事内容について説明します。
SES営業の仕事はざっくりいうと以下です。
・社員の採用やフリーランス獲得
・顧客への提案
・顧客への面談同席
・BP同士のマッチング
・新規顧客開拓
・エンジニアフォロー
・トラブル対応
個々の説明は省きますがざっくりいういうとこれがSES営業の仕事内容です。
一日の流れ
SES営業の一日の流れを説明します。
9:00出社 メールチェック
10:30 面談同席
13:00ランチ
14:00マッチング
17:00 打ち合わせ
19:00面談引き渡し
このように一日1~3件の面談が組まれることが一般的です。
空いている時間にマッチングをしたり打ち合わせなどを入れます。
SES営業の時間の使い方は自由度が高いため、時間を有意義に使えるかで差が開いてくる職種です。
SES営業は全て面談同席?
SES営業の面談は自社の直請けの場合は全て同席します。
ただし、商流が深かったりBP案件の場合は引き渡しといって紹介をして営業は失礼します。商流についてはこちらで説明させていただきました→
引き渡しの場合時間的な拘束が少ないため、BP同士のマッチングを好むスタイルのSES営業もおります。
SES営業がつまらないと言われる理由
SES営業はつまらないという人は決して少なくありません。
それはいくつか理由があります。
SES営業がつまらない理由は大きく分けると以下の二点が原因となると思います。
SES営業がつまらない理由は、
・契約が決まらない
・精神的につらい
・仕事自体が単調
からです。
契約が決まらない
SES営業は人材のスキルと営業スキルによって、個人の契約成績に大きな差がでます。
特にスキルが低い人材しか獲得できなかったり、そもそも営業できる人材がいないケースですと、契約を決めるハードルが非常に高くなります。
(契約が決まらないのは人材を確保できない会社側に原因があることも多いのです。)
また、営業スキルが低い場合も同様です。
SES営業の場合信頼できる営業同士で契約を決めあったり優先的に人材を紹介したりする傾向が強いです。
つまりスキルの低い営業や、信頼できないと判断された営業は契約が決めずらい負のスパイラルに陥ることも少なくありません。
こういった理由から「契約が決まらない→SES営業つまらない」となる事が多いようです。
精神的にきつい
SES営業は精神的にきついです。
SES営業がきつい理由はトラブルを抱えることが大きな理由です。
ITエンジニアは他の職種に比べ圧倒的にトラブルが多いです。
・勤怠不良
・人間関係で問題をおこす
・精神疾患
・パワハラ
・過度な残業
など色々なケースでトラブルが発生するためSES営業はそのたびに謝罪を行ったりトラブル対応をしなくてはいけません。
営業自身の不始末が招いたトラブルであればまだ納得もいくと思いますが、ほとんどのトラブルはそうではなく派遣エンジニアが勝手に引き起こします。
SES営業の場合、このようなトラブルを常に複数件抱えているので精神衛生上あまりよろしくなく、つらいと感じてしまう人が非常に多いのです。
仕事自体が単調
SES営業がつまらない理由として仕事自体が単調であることもあげられます。
これは考え方次第ですが、人材営業はクリエイティブでなく泥臭い仕事です。
もちろん契約などでやりがいを感じることはありますが仕事そのものが楽しいことばかりかと言われるとそうでもないかもしれません。
SES営業を辞めたい人が多い理由
SES営業と検索すると「SES営業 辞めたい」と真っ先にでてきます。
それくらいSES営業を辞めたいと考えている人が多いのも事実です。
SES営業をやめたくなるのは、将来に不安を抱える人が多いためです。
その理由としてSES営業は市場価値があがらないのではないか?ということがあります。
この点について詳しく説明させていただきます。
SES営業は市場価値があがらない?
SES営業の経験は市場価値を上げることになるのか?という疑問にお答えします。
結論からいうと市場価値はあまり上がらないという事になります。
SES営業の場合、一般的な営業として必要な
・プレゼンスキル
・交渉スキル
・コミュニケーションスキル
・商談スキル
などがほとんど不要です。
極論、IT業界の知識が少しあれば誰でもできる営業です。
そのためSES営業の経験が市場価値をあげるかといえるかというとやはり微妙と言わざるをえません。
もちろんSES営業の経験を積むメリットもあります。
それはSES営業の経験を積むことでIT業界の知識、人材営業の知識を習得することができるという点です。
SES営業から転職する転職先として相性がいいのは
・SlerやベンダーなどのIT業界での営業
・ITコンサル系営業
・人材派遣の営業
などです。
SES営業での市場価値が最も高く評価されるのはやはりSES業界なのです。
そのため、SES営業から転職しようと思っても結局は同業他社に転職する人が圧倒的に多いのが現実です。
SES営業からエンジニアになるケースも多い
このようにSES営業の将来性に不安を感じエンジニアになるケースも非常に多いです。
エンジニアは「手に職をつける」意味では最適な仕事です。
身近で働いてるエンジニアをみて影響を受ける部分もあるでしょうし、全く未知の業界よりはある程度実態をしっているIT業界のほうが踏み出しやすいという安心感もあります。
また、SES会社であれば未経験でも現場を斡旋してくれたりするので部署移動のような形でSES営業→エンジニアというジョブチェンジを行う人が多いのです。
SES営業は簡単なの?楽って本当?
SES営業は簡単で楽なのでしょうか?
結論から申し上げますとSES営業は簡単です。
・案件の内容を理解する
・エンジニアのスキルを理解する
この二点さえできれば誰でもできます。
マッチングし提案後は面談をセッティングするだけなので、仕事自体は大変簡単です。
また、移動や面談などで工数を割かれるので実働時間としてもたかがしれています。
直行直帰もできるので、稼働面でも楽だと思っていいでしょう。
もし難しい点をあげるとしたら、限られた時間の中で多数のマッチングをこなす必要がある点です。
ある程度効率的に仕事をできる人でないとマッチングが捗らず結果的に契約を逃す機会もありますので、大量にメールをしたり電話をしたりということが苦手な人には不向きな環境かもしれません。
また、仕事自体は簡単なのですが管理や自分自身のメンタルの維持などの難しさがあります。
それについてはこの後詳しく説明させていただきます。
SES営業で最も求められる能力は管理能力である
SES営業の仕事自体は簡単なのですが、最も必要かつ不可欠な能力は管理能力です。
SES営業の場合、普通に行動すれば決定することは難しくありません。
最も難しいのは複数のエンジニアを管理し維持することです。
管理能力についてもう少し詳しく説明させていただきます。
SES営業で最も時間が割かれるのがトラブルやそれに付随する対応です。
様々なエンジニアがおりますので、
・現場の人間関係が悪い
・エンジニアの勤怠が悪い
・エンジニアのスキルが低い
・現場かでのパワハラモラハラ
・契約関係のゴタゴタ
などとにかく色々な問題が発生します。
言葉は悪いのですが、派遣SEには社会人としての常識もないような人も多いですから精神的も疲弊します。
こういったエンジニアを上手く管理しうまくさばき、自分をコントロールする能力こそがSES営業で非常に重要になってきます。
新人のSES営業がまず知っておきたいこと
SES営業の新人は右も左もわかりません。
丁寧に先輩が教えてくれる企業であればいいのですが、よくも悪くもこの業界は適当なので自分で勉強するしかありません。
新人のSES営業が入社後知っておきたいポイントについてまとめてみました。
・プログラミング言語について知る
・開発の作業工程について知る
・プログラミング言語と単価の相場について知る
・専門用語を理解する
・契約の流れについて知る
・トラブルの対応方法について知る
・目標設定を行い、それに向かって努力する
詳しく説明すると長くなるので割愛しますがこれだけです。
SES営業の仕事自体は一旦覚えれば簡単なので、あとはどれだけコツコツ努力できるか?で成果が決まってきます。
SES営業の専門用語について
SES営業の特徴として専門用語が多いという点があります。
ただし、SES営業の専門用語については一度決めばとっても簡単なものばかりです。
専門用語については入社後レクチャーがあるのでそこは心配せずにOKでしょう。
以下一例をあげさせていただきますが、他にも専門用語は多数あります。
BPについて
SES営業の専門用語としてBPと言う言葉を説明させていただきます。
BP(ビーピー)はビジネスパートナーの略です。
SES営業は数多くの同業他社と案件や人材の交換をしながら現場を決めていきます。
SES企業単独で業務を完結することは難しいため、こういったパートナーの存在が非常に重要となってきます。
いかに質のいいBPを確保するか、ということがSES営業の重要なポイントと言えます。
SES営業のコツとは?
SES営業にはコツがあります。
SES営業の場合、大きな成果を出す人と全く成果が出せない人で極端に分かれます。
ここではSES営業のコツについて説明させていただきます。
マッチング能力
SES営業はマッチング能力が全てです。
頭の中で営業中の人材リソースを整理し、案件をかたっぱりからしらべましょう。
成果を出す営業は必ずマッチングの時間をたくさんとり、夜遅い時間まで対応しています。
SES営業の場合スピード感が全てなので、数多くマッチングし機会を逃さないことが成功の秘訣です。
逆に成果がでない営業は打ち合わせや移動など無駄なことに時間を使っている傾向にあります。
懇意の営業を作る
SES営業のコツとして仲のいい懇意の営業を作ることです。
ただ仲がいいだけではダメで、たくさんの人数を稼働させている優秀な営業と仲良くなりましょう。
こういった営業は案件を多数もっていたり人脈があったりとにかく決めてくれます。
ベテランSES営業になると自分はあまり動かずに懇意の営業だけで売り上げを作ることもあるくらいです。
関係者の信頼を得る
これはSES営業に限ったことではありませんが、SES営業のコツです。
とにかくIT派遣業界は業界が狭いです。
信頼感を失ったら二度と取引はできませんし、成績を上げることが困難になります。
とはいえ難しい話ではありません。
・連絡を早くする
・トラブルになったら誠意をみせる
・定期的に情報交換をする
などあたり前のことを積み重ねていくだけです。
SES営業とフリーランスエンジニア
SES営業の中では正社員をメインの営業対象とする企業と、フリーランスエンジニアを多く扱う企業があります。
もちろん両方扱う企業もあります。
ざっくりとした特徴を説明させていただきます。
・正社員の営業・・・他社で決定することがないので、長期的な安定した利益を生む。企業からすると待機のリスクがある。
・フリーランスエンジニアの営業・・・高利益率。スキルが高い人が多いためすぐに決定できる。企業からすると集客コストがかかるのと競合の会社で決まってしまうリスクがある。
トラブルになることも多い。
などです。
正社員、フリーランスエンジニア一長一短なのですがフリーランスエンジニアのほうが難しいです。
フリーランスエンジニアの場合競合に勝つ必要があるのと、売り上げを積み重ねていく必要があるためある程度の営業スキルがないと難しいです。
一方で数多くのエンジニアを稼働させることができれば多大な利益を上げることができます。
そのためフリーランスエンジニアを扱うSES企業はインセンティブを採用しているケースが多いです。
SES営業とインセンティブ
SES営業とインセンティブについて説明させていただきます。
SES企業の多くはインセンティブが設定されています。
また、チーム達成インセンティブなどを設けている企業もあります。
ただし具体的な金額を求人サイトに記載していることは少ないので、面接の場で質問する必要があります。
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